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TPPと農業・農的な暮らしについて

P8190040 世間ではTPPについていろいろ議論が行なわれています。引用したりしながら書いてもいいのですが、「らしくない」ので、思うことをツラツラと。

TPPを大まかに分けると工業系は賛成、農業系は反対というスタンスだと思います。ここで大事なのは、工業系の代表者が元工業系代表者(大企業?)や現役代表者であること。農業系はJA(農協)ですが、JAが農業者の代表か?と言われれば、ちょっと違う雰囲気。工業系の会社の人間構成は株主-雇い主-雇用者みたいな感じですが、JAの場合、農家はJAに雇われているわけではありません。組合員という位置づけですが、JAから農家は給料はもらってません。JAが農家の代弁者になるのかということですが、大規模な農家はJAから離れ独自に資材仕入れや生産物販売を行なっている事例も少なくないことから、むしろ他に「代弁者がいない」位に農業者の多様化が進んでいると考えた方が良いかもしれません。

閑話休題。経営、つまり農業を経済的な営みという尺度で考えるのであれば、TPPへの対策として海外の生産コストに追いつく為に大規模化や、高品質生産物の海外輸出という考え方が生まれます。ただ、気になるのが「専門化・先鋭化の果てにあるのは緩やかな死」。

戦闘単位として、どんなに優秀でも、同じ規格品で構成されたシステムは、どこかに致命的な欠陥を持つことになるわ。組織も人間も同じ。特殊化の果てにあるのは、ゆるやかな死・・・・・・[GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊]

大規模化によるコスト回収は、市場動向によって如何様にも変化するはずで、頑健さに欠ける気がしてなりません。市場性や商品性というのはマーケットによって日々変化するという条件で、年1回しか収穫できない農作物では、投資そのものが無意味になる危険性すら生じます。

「農業を経営する」つまり「生産物を販売することで利益を上げる」という立場で見た場合、TPPの参加は「農業経営者の淘汰」が始まることを意味しています。価格競争にさらされつつも、差別化商品ということで顧客を獲得する戦略も生まれると思います。

けどね、なんか疲れました。農業を経営として考えるのが。生産物を販売する営みで考えた場合、TPP参加とは関係なく、やっぱり厳しいです。

財政的な支援が殆ど無いにも係わらず兼業農家の割合が多いという実態からすると、ひょっとして兼業農家の頑健さと柔軟さがTPPの鍵になるかもしれません。現在、農林水産業(特に農業)の6次化産業が提唱されています。つまり1次産業(農林水産業)×2次産業(製造業)×3次産業(サービス業)で6次化産業となるのですが、例えれば、お父さんが小麦を栽培して、奥さんが収穫された小麦でパン屋を営業というのも6次化産業といえます。ただ、冷静に考えるとこれって兼業農家なのではないでしょうか。大手を振って兼業農家の推進というのは今の農政では出来ないはずですが、大規模農家の育成を目的に行なわれた圃場整備が、その目的を達成しつつも、兼業農家が省力的に管理できる農地となったのも事実です。

個人的な考えですが、農業は2極化が進むと思います。ひとつは営利目的の農業(大規模化・6次産業化)この6次産業化は兼業化も含みます。もう1つが、農的な営みとしての農業。大規模な家庭菜園や市民農園という考え方でも良いと思います。後者は採算性という尺度で考えた場合、たぶん大赤字です。ただ、大赤字が許される場合だってあると思うんです。例えばワーゲン(笑)。ワーゲン乗ってることに対して国からの支援なんてものはありません。むしろ環境負荷ということで税金上乗せっすよ(涙)。ただ、大規模な家庭菜園や市民農園が、地域固有の景観や資産を保全しているというのであれば、「共有の財産の保全」という目的で農業政策とは異なる別の尺度で公的な支援というのは考えられると思います。

今の農業政策では難しいんじゃないかなぁ。農業の問題を農政だけで解決しようとするのが時代に合わなくなってるような気もしています。

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コメント

TPPと平行して産業の空洞化を止めないと、外国にシャブられて、そのうち大変な事になるんじゃないかと。。
農業も工業もモノを産み出してきた先人が生きてるウチに技術を教えて貰わないと。

気が付いたら、田畑は荒れて、職場は病院、老人ホーム、サービス業じゃ困ると思うんですけどねぇ
(つд⊂)エーン

投稿: kita | 2011年11月29日 (火曜日) 12:54

空洞化→これ凄く悩ましいです。農業分野では大丈夫って声もありますが、40年前の米の品種が県内40種以上あったのが、今では10種類程度。しかも市場性優先で西日本なのにコシヒカリ・あきたこまちの割合が高くなってます。既に昔の技術の伝承は困難な状況かも。
キューバの有機農業政策、本気で日本も考えても良いかも知れません。
工業、自動車ではプリウスが町工場で整備する頃にはおっちゃん達、お手上げだそうです。
土壇場で役立つのは整備や修理なんですが・・・・。

投稿: steel scooters | 2011年11月29日 (火曜日) 21:45

深い洞察ですね。少し、私の考えを紹介します。まず、TPPがらみで「食の安全保障」について。今日の我が国において、こんなことを金科玉条のように主張している農協には、退場いただかなければならないかも知れません。
次に「農業」について。御説ごもっともと思います。要は、既成の枠組み、分類で議論すると混乱するだけだと思います。農業を産業と位置づけること自体からして無理があります。
新しい枠組みが必要です。そして、その作業は急がなければなりません。もう時間は残されていません。
とりとめのないことを書きつらねました。参考になれば・・・。

投稿: kathiyo | 2011年11月30日 (水曜日) 21:39

kathiyoさんへ
そろそろ「農業」「農政」を見直す時期なんでしょうね。ただ「業」にカテゴライズされている農業(換金農業=産業)に関しては、世界共通の定義が必要で、だからこそ、同じ経済土俵で勝負するために、規模拡大といったデスマーチ的な取り組みを、日本においても実施せざるをえないのでしょう。
農業が日本の国土に固執する限り、規模拡大によるコスト低減効果は国土面積の大きい諸外国にはかなわないと思います。また人件費にもハンデがあります。
産業として農業を考えるのであれば、日本人(または日本の農業生産法人)が海外に現地法人を設立して現地で栽培し、日本に生産物を輸出することも考えられますが、そのあたりの議論はあまり聞こえてきませんね。

投稿: steel scooters | 2011年12月 1日 (木曜日) 22:19

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