« 熱対策 | トップページ | 次のステップへ向けて »

管轄はどこ?環境保全型農業

昨今の食の安全志向の高まり、そして輸入食品の安全性云々も追い風になって、国産農産物の価値は今後高まっていくと考えています。そして、国内生産においても水稲を中心に環境保全型農業への期待も同時に高まっていくものと考えています。先日、不耕起移植栽培の特集を国営放送で見ました。興味深かったのは、その提唱者はあくまで省力化を目指していたというところ。現在、不耕起栽培は環境保全なり生きもの保全の観点で語られる事が多い気がするのですが、本来の目的では無かったということに唸らされました。

無農薬や有機栽培というのは、イメージで語られる事が多く、定量的な判断に迷うことが多かったんです。無農薬だから環境に優しいかというとそうでもない事例もあったり、究極の無農薬は完全閉鎖無菌施設による植物工場という方法もあるんで。

生産現場に近いポジションにある試験研究機関というのは収量・品質・省力化が目的でその根底は動かないものと考えています。だから、こういった試験研究機関に環境保全型農業というタームが登場すると、「天敵」「堆肥を使った循環型農業」等のキーワードが登場し、それ以上の展開が無いのはちょっと悲しいです。また、現場サイドにおいても環境保全型農業=「無農薬栽培」「有機栽培」と短絡的な発想があるのもちょっと悲しいです。

水田を二次的自然環境として利用する生きものというのはこういった天敵-害虫の関係だけではないことが最近の研究で明らかになってきています(2004 桐谷)。しかし、そういった水田の公益的価値や機能というのは生産性に直結しないため軽視されがち。生物多様性国家戦略が農林水産省からも発表されましたが、試験研究課題にこの生物多様性がキーワードになるにはまだまだ時間がかかりそうです。ヘタをすると民間や現場主導で研究が進み、試験研究機関は蚊帳の外になるかもしれません。蔬菜の育種分野でも多くが民間会社だったりするので「あり得る」ハナシだと思います。

|

« 熱対策 | トップページ | 次のステップへ向けて »

身近な出来事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/218640/42662316

この記事へのトラックバック一覧です: 管轄はどこ?環境保全型農業:

« 熱対策 | トップページ | 次のステップへ向けて »